訪問介護の特定事業所加算と処遇改善加算(兵庫・大阪)|社労士が解説

訪問介護の収益と採用を最大化する「2大加算」戦略

「基本報酬の引き下げで、経営が苦しくなる…」 「兵庫・大阪の激戦区で、ヘルパーが集まらない…」

そんな不安を抱える訪問介護オーナー様へ。 今の時代、加算取得は「余裕があればやるもの」ではなく

「生き残るための必須条件」です。

当事務所では、兵庫県・大阪府での新規指定申請から顧問業務まで、売上を上げる「特定事業所加算」と、人を集める「処遇改善加算」の取得と適正運用を徹底サポートいたします。

特定事業所加算の概要と狙い所

区分加算率主な要件のハードル
特定事業所加算Ⅰ20%介護福祉士割合 + 重度者対応・看取り対応 + 24時間体制
特定事業所加算Ⅱ10%介護福祉士割合 + サ責実務経験+ 24時間体制
特定事業所加算Ⅲ10%サ責実務経験・介護員の勤続年数+ 重度者対応・看取り対応 + 24時間体制
特定事業所加算Ⅳ3%サ責実務経験・介護員の勤続年数
特定事業所加算Ⅴ3%中山間地域へ提供+多職種協力体
特定事業所加算Ⅰ(難易度最高)
  • 介護福祉士が介護員の30%以上又は実務者研修修了者以上が介護員の50%以上
  • サ責が実務経験3年以上の介護福祉又は5年以上の実務者研修修了者
  • 重度利用者が20%以上又は看取り対応が整備され年間看取り実績が1人以上

加算20%は魅力ですが、このような非常に厳しい要件をクリアする必要があり、狙うのはあまり現実的ではありません。大規模なベテラン事業所向けの加算と言えます。

特定事業所加算Ⅱ・Ⅲ(狙うなら区分Ⅱ)
区分Ⅱ
  • 介護福祉士が介護員の30%以上又は実務者研修修了者以上が介護員の50%以上
  • サ責が実務経験3年以上の介護福祉又は5年以上の実務者研修修了者
区分Ⅲ
  • 人員基準以上のサ責を配置又は勤続7年以上の介護員の割合が30%以上
  • 重度利用者が20%以上又は看取り対応が整備され年間看取り実績が1人以上

区分Ⅲは重度利用者の比率か看取り実績が必要なためベテラン事業所向けと言えます。

有資格人員を雇用で確保できる区分Ⅱが比較的狙いやすいのではないでしょうか。

特定事業所加算Ⅳ(新規で狙うならココ!)
  • 人員基準以上のサ責を配置又は勤続7年以上の介護員の割合が30%以上

人員基準以上のサ責を配置するだけで良いので、比較的狙いやすい加算になります。

特定事業所加算Ⅴ(他区分への追加加算が可能)
  • 通常事業実施範囲内の中山間地域等居住者へのサービス提供実績が月平均で1人以上であること。
  • サ責等が起点となり随時介護支援専門員、医療関係職種等と共同して訪問介護計画の見直しを行っていること。

国が指定する山間部へ継続的なサービスの提供や、利用者の心身の状況や家族等を取り巻く環境の変化を踏まえて他の職種の方々と共同で計画を随時見直す必要があります。

中山間部の事業者以外は加算はできないので限定的な加算となっています。

区分ⅠとⅢは重度利用者や看取りといった実績が必要になります。また区分Ⅴは事業所の場所に左右されます。したがって新規では区分Ⅳを取り、経験を積んで区分Ⅱへステップアップというのが良いと思われます。

区分ⅠとⅡは下記の処遇改善加算のキャリアパス要件Ⅴに関係してきます。そういった意味でも区分Ⅲではなく区分Ⅱを目指す方が良いでしょう。

共通して整えるべき体制の要件

個別研修計画の策定と実行

全介護員(登録ヘルパー含む)一人ひとりに対して、年度ごとに研修計画を作成しなければなりません。

ポイント

単なる使い回しの計画ではなく、個々のスキルに応じた内容であること。

実施記録

計画に基づき実際に研修を行い、受講記録(報告書)を保管する必要があります。

定例会議の開催(議事録の保管)

利用者ごとの情報共有やサービス品質向上のため、定期的な会議を開催します。

頻度

おおむね月1回以上。

参加者

サービス提供責任者が主宰し、介護員全員が参加する形が理想です(※ICT活用によるテレビ電話会議も認められています)。

議事録

誰が参加し、どのような検討が行われたか、詳細な議事録の保管が必須です。

サービス提供前の指示・事後の報告(最重要項目)

実地指導で最も厳しくチェックされるポイントです。

具体的な指示

サービス提供ごとに、サ責がヘルパーに対し、利用者の当日の状態に合わせた「具体的な指示」を出すこと。

事後の報告

サービス終了後、ヘルパーからサ責へ速やかに報告を行うこと。

証拠の電子化

紙での管理には限界があります。チャットツールや専用ソフトでの記録運用をおすすめします。

健康診断の実施

全スタッフ(1週間の所定労働時間が通常の4分の3以上の者)に対し、年1回の健康診断受診が義務付けられています。

対象者

労働時間によっては登録ヘルパーも対象となります。

頻度

少なくとも1年に1回。費用は事業主の負担となります。これらは労働安全衛生法で定められています。

緊急時対応の方法の明示

利用者に急変や事故が発生した際、速やかに対応できる体制を整えていなければなりません。また、書面に必要事項を明記し、説明・交付する必要があります。

24時間連絡体制

深夜・休日を問わず、利用者やその家族、または現場のヘルパーからの連絡に常時対応できる体制(携帯電話の持ち回りなど)が必要です。

対応マニュアルの整備

「誰に連絡するか」「救急車を呼ぶ基準は何か」「主治医や家族への連絡手順」などが具体的に定められたマニュアルを整備し、スタッフ全員に周知徹底します。

利用者への事前説明

重要事項説明書などに緊急時の連絡先や対応フローを明記し、利用者や家族に書面で説明・同意を得ておく必要があります。

チェックポイント

兵庫県や大阪府の実地指導では、単にマニュアルがあるかだけでなく、「実際に緊急連絡があった際の記録が残っているか」「その対応はマニュアル通りだったか」まで踏み込んで確認されることがあります。

介護職員等処遇改善加算(採用と定着の要)

介護職員等処遇改善加算とは、働く職員の賃金改善と職場環境の整備を目的とした、国による強力な補助金制度です。

日本の超高齢社会において、介護人材の確保は喫緊の課題です。国は「他業種に見劣りしない賃金水準」と「働きやすい職場づくり」を実現するため、サービス価格(介護報酬)に上乗せする形で、事業所に原資を支給しています。

兵庫県内や大阪市内の激戦区において、近隣の訪問介護事業所に競り勝つためには

求人票に『処遇改善加算取得済み』と書けるかどうかで、応募単価(1人採用するコスト)は数十万円変わります。 高い加算率は、最高の採用戦略です。離職率が10%下がるだけで、採用費と教育費のロスを年間数百万円削減できる可能性があります。

介護職員等処遇改善加算を受ければ、職員の給与を上げることができます。良い給与のところには良い人材が集まります。良い人材の居る事業所は売上が上がります。

売上を上げるための武器として介護職員等処遇改善加算を受けましょう。

訪問介護における新加算の区分・加算率

区分加算率
処遇改善加算Ⅰ(イ)27.0%
処遇改善加算Ⅰ(ロ)28.7%
処遇改善加算Ⅱ(イ)24.9%
処遇改善加算Ⅱ(ロ)26.6%
処遇改善加算Ⅲ20.7%
処遇改善加算Ⅳ17.0%

介護職員等処遇改善加算を受けるためには、必須要件として「キャリアパス要件」、「職場環境等要件」、「月額賃金改善要件」の3つがあります。

処遇改善新加算:キャリアパス要件とは

キャリアパス要件
加算区分
処遇改善加算Ⅰ
処遇改善加算Ⅱ
処遇改善加算Ⅲ
処遇改善加算Ⅳ

新加算を算定するためには、以下の5つのキャリアパス要件を、算定する区分に応じて満たす必要があります。

【キャリアパス要件1】要件Ⅰ:任用要件・賃金体系の整備(全ての区分で必須)
  • 内容: 職位(主任、リーダー等)に応じた「任用要件」と「賃金体系」を定め、就業規則などの書面で整備・周知すること。
  • 実務のポイント: 単に「リーダーを置く」だけでなく、そのリーダーになるための条件(資格や経験)と、それに対する給与(手当)が就業規則に連動している必要があります。
【キャリアパス要件2】要件Ⅱ:研修の実施・資質向上の計画(全ての区分で必須)
  • 内容: 資質向上のための目標と具体的な「研修計画」を立て、実施(または機会の確保)すること。
  • 実務のポイント: 全ての介護職員に対して計画を周知し、実施した後は能力評価を行う必要があります。「研修をやりっぱなし」にせず、評価記録を残すことが実地指導対策の肝です。
【キャリアパス要件3】要件Ⅲ:昇給の仕組みの整備(加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲで必須)
  • 内容: 「経験(勤続年数)」「資格」「評価」のいずれか、または組み合わせに基づいた昇給の仕組みを設けること。
  • 実務のポイント: 賃金規定に「勤続○年で○円昇給」「介護福祉士取得で○円アップ」といった客観的な基準を明文化する必要があります。
【キャリアパス要件4】要件Ⅳ:実力ある職員への年額440万円以上の賃金設定(加算Ⅰ・Ⅱで必須)
  • 内容: 経験・技能のある介護職員のうち1人以上は、賃金改善後の年収見込額が440万円以上であること。
  • 実務のポイント: 以前の「月額8万円アップ」に代わる要件です。小規模事業所などで達成が困難な場合は「合理的な説明」が必要となります。無理のない賃金設計ができるかがポイントです。
【キャリアパス要件5】要件Ⅴ:人員配置要件(加算Ⅰのみ必須)
  • 内容: 介護福祉士等を一定数以上配置すること
  • 訪問介護の場合: 特定事業所加算(Ⅰ)または(Ⅱ)を取得していることが、処遇改善加算(Ⅰ)を算定するための絶対条件となります。

処遇改善新加算:職場環境等要件とは

職場環境等要件とは、賃金改善(給与アップ)以外に、「職員が働きやすい環境づくり」をどれだけ行っているかを評価する要件です。
全6カテゴリの取組項目のうち、算定する加算区分に応じた数の取組を実施し、その内容を全職員に周知する必要があります。

「取組をしています」という申告だけでは、加算は認められません。 実地指導では、その取組が「本当に行われたか」を証明する書類(エビデンス)が厳格にチェックされます。証拠不十分とみなされた場合、加算の返還を命じられるリスクがあります。

処遇改善新加算:職場環境等要件(全6カテゴリ全28項目)

実地指導では「どのカテゴリから何項目実施しているか」だけでなく、その裏付け(エビデンス)も厳しくチェックされます。

1.入職促進に向けた取組

①法人や事業所の経営理念やケア方針・人材育成方針、その実現のための施策・仕組みなどの明確化

②事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築

③他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等、経験者・有資格者等にこだわらない幅広い採用の仕組みの構築(採用の実績でも可)

④職業体験の受入れや地域行事への参加や主催等による職業魅力度向上の取組の実施

上記より、処遇改善加算Ⅰ・Ⅱ(イロ共)は2項目、加算Ⅲ・Ⅳは1項目以上の実施が必要

2.資質の向上やキャリアアップに向けた支援

⑤働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い介護技術を取得しようとする者に対するユニットリーダー研修、ファーストステップ研修、喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援等

⑥研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動

⑦エルダー・メンター(仕事やメンタル面のサポート等をする担当者)制度等導入

⑧上位者・担当者等によるキャリア面談など、キャリアアップ・働き方等に関する定期的な相談の機会の確保

上記より、処遇改善加算Ⅰ・Ⅱ(イロ共)は2項目、加算Ⅲ・Ⅳは1項目以上の実施が必要

3.両立支援・多様な働き方の推進

⑨子育てや家族等の介護等と仕事の両立を目指す者のための休業制度等の充実、事業所内託児施設の整備

⑩職員の事情等の状況に応じた勤務シフトや短時間正規職員制度の導入、職員の希望に即した非正規職員から正規職員への転換の制度等の整備

⑪有給休暇を取得しやすい雰囲気・意識作りのため、具体的な取得目標(例えば、1週間以上の休暇を年に●回取得、付与日数のうち●%以上を取得)を定めた上で、取得状況を定期的に確認し、身近な上司等からの積極的な声かけを行っている

⑫有給休暇の取得促進のため、情報共有や複数担当制等により、業務の属人化の解消、業務配分の偏りの解消を行っている

上記より、処遇改善加算Ⅰ・Ⅱ(イロ共)は2項目、加算Ⅲ・Ⅳは1項目以上の実施が必要

4.腰痛を含む心身の健康管理

⑬業務や福利厚生制度、メンタルヘルス等の職員相談窓口の設置等相談体制の充実

⑭短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断・ストレスチェックや、従業員のための休憩室の設置等健康管理対策の実施

⑮介護職員の身体の負担軽減のための介護技術の修得支援、職員に対する腰痛対策の研修、管理者に対する雇用管理改善の研修等の実施

⑯事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成等の体制の整備

上記より、処遇改善加算Ⅰ・Ⅱ(イロ共)は2項目、加算Ⅲ・Ⅳは1項目以上の実施が必要

5.生産性向上(業務改善及び働く環境改善)のための取組

⑰厚生労働省が示している「生産性向上ガイドライン」に基づき、業務改善活動の体制構築(委員会やプロジェクトチームの立ち上げ、外部の研修会の活用等)を行っている

⑱現場の課題の見える化(課題の抽出、課題の構造化、業務時間調査の実施等)を実施している

⑲5S活動(業務管理の手法の1つ。整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字をとったもの)等の実践による職場環境の整備を行っている

⑳業務手順書の作成や、記録・報告様式の工夫等による情報共有や作業負担の軽減を行っている

㉑介護ソフト(記録、情報共有、請求業務転記が不要なもの。)、情報端末(タブレット端末、スマートフォン端末等)の導入

㉒介護ロボット(見守り支援、移乗支援、移動支援、排泄支援、入浴支援、介護業務支援等)又はインカム等の職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器(ビジネスチャットツール含む)の導入

㉓業務内容の明確化と役割分担を行い、介護職員がケアに集中できる環境を整備。特に、間接業務(食事等の準備や片付け、清掃、ベッドメイク、ゴミ捨て等)がある場合は、いわゆる介護助手等の活用や外注等で担うなど、役割の見直しやシフトの組み換え等を行う。

㉔各種委員会の共同設置、各種指針・計画の共同策定、物品の共同購入等の事務処理部門の集約、共同で行うICTインフラの整備、人事管理システムや福利厚生システム等の共通化等、協働化を通じた職場環境の改善に向けた取組の実施

上記より、処遇改善加算Ⅰ・Ⅱ(イロ共)は⑰、⑱を含む3項目、加算Ⅲ・Ⅳは2項目以上の実施が必要

6.やりがい・働きがいの醸成

㉕ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善

㉖地域包括ケアの一員としてのモチベーション向上に資する、地域の児童・生徒や住民との交流の実施

㉗利用者本位のケア方針など介護保険や法人の理念等を定期的に学ぶ機会の提供

㉘ケアの好事例や、利用者やその家族からの謝意等の情報を共有する機会の提供

上記より、処遇改善加算Ⅰ・Ⅱ(イロ共)は2項目、加算Ⅲ・Ⅳは1項目以上の実施が必要

処遇改善新加算:月額賃金改善要件とは

新加算を算定し続けるための最重要ルール、それが「月額賃金改善要件」です。
「加算でもらったお金を、どう月々の給与に反映させるか」という基準が、以下の2つの要件で定められています。

月額賃金改善要件Ⅰ(基本給・手当での改善)

すべての事業所が対象となる、賃金底上げのルールです。

  • 内容: 新加算Ⅳの加算額の「1/2以上」を、基本給または毎月支払われる手当(月給)として支給すること。
  • 訪問介護の場合: 訪問介護の新加算Ⅳは17.0%です。その半分である8.5%分以上は、ボーナスではなく「月給」で改善しなければなりません。
  • ポイント: これまでの「一時金(賞与)払い」から「ベースアップ(基本給等の水準引き上げ)」への転換が強く求められています。
月額賃金改善要件Ⅱ(旧ベースアップ等支援加算の引き継ぎ)

主に「旧ベースアップ等支援加算」を算定していなかった事業所が、新加算へ移行する際に注意すべきルールです。

  • 内容: 旧ベースアップ等支援加算を算定していた場合と同等の改善(加算額の2/3以上の月額引き上げ)を維持、または新規に行うこと。
  • 実務のポイント: 既にベア加算を取っていた所は、その水準を下げないこと。取っていなかった所は、新たに月額賃金としての設定が必要になります。

【重要】令和7年度(2025年度)からは月額賃金改善要件Ⅰ及びⅡは完全義務化されました。

経過措置の終了 :令和6年度(2024年度)までは「準備期間」として要件を満たさなくても算定可能でしたが、令和7年度(2025年度)からは完全義務化されています。

これから新規開業する場合、過去の賃金実績がなくても大丈夫?

はい、大丈夫です。ただし「設計」が命です。

現在は経過措置が完全に終了しているため、開業時の給与設定から「月額賃金改善要件」をクリアした賃金体系を組んでおく必要があります。

  • 「基本給をいくらに設定すれば、要件をクリアしつつ経営を圧迫しないか?」
  • 「手当の名称や性質はどうすべきか?」

これらを考えずに給与を決めてしまうと、後からの修正は困難です。当事務所では、開業準備段階からの「加算に強い給与設計」をサポートします。

義務化による注意点

「一時金(ボーナス)頼み」が不可に

以前の制度では、年度末に「加算が余ったから賞与で一括で配る」という調整が可能でした。しかし現在は、加算額の一定割合(訪問介護なら加算Ⅳ相当の1/2以上など)を「毎月の基本給や手当」に組み込むことが絶対条件です。

就業規則・賃金規定の整備が必要に

月額賃金として支払う以上、「口約束」は許されません。賃金規定を改定し、どの手当が加算対象なのか、昇給の基準はどうなっているのかを明記し、労働基準監督署へ届け出ていることが必須となります。

新規開業・新規算定時からの適用

先ほど度申し上げましたとおり、これから新たに取る場合も、この経過措置終了後のルールが適用されるため、「新規取得時から月額賃金での改善ルールを守った給与体系」になっていなければなりません。

【社労士の視点】実地指導で狙われる「3つの落とし穴」

視点
「名ばかり」のキャリアパス要件

就業規則や賃金規定に「昇給の仕組み」や「資格手当」が明記されていますか?実態と書類が乖離している場合、加算の全額返還リスクがあります。

視点
月額賃金改善要件(2/3ルール)

加算額の2/3以上を「基本給」または「毎月の手当」で配分しているか。賞与での一括調整は、新制度では原則認められません。

視点
職場環境等要件の証拠化

研修実施記録、ICT導入の証明、健康診断の実施状況など。「証拠(エビデンス)の有無」を信頼性の指標として重視しています。